真願寺は浄土宗のお寺です。
浄土宗は今から八五〇年ほど前に、
法然上人
によって開かれました。
(二〇二四年に浄土宗開宗八五〇年をむかえます)
平安時代末は
地震などの天災や疫病の恐怖が広がっていました。
そんな状況で、
心を落ち着けて
じっくり修行ができるわけもない
庶民でさえ救われる教え
を命がけで探し求めて、
最後にたどり着いたのが
「南無阿弥陀仏」
と声に出して称えるという
「称名念仏(しょうみょうねんぶつ)」の
み教えです。
仏教の究極目標である「覚り」を得るために、
苦しみに満ちたこの世(娑婆世界)ではなく、
阿弥陀仏という仏様のいる
素晴らしい世界「極楽」へ行ってから、
極めて楽しく仏道修行して
「覚り」を得る。
山頂を目指すために
「極楽」というゴンドラに乗るのが
「往生」であり、
往生してから
「成仏=仏に成る=覚りを得る」を目指すのが、
浄土宗の考え方です。
そして、
まずそのゴンドラに乗るための方法だけに集中するのが
「南無阿弥陀仏」とお称えする
「称名念仏」なのです。
お念仏で往生した人は、
皆さん極楽にいらっしゃいます。
この世での命が終わってからは、
阿弥陀仏様の作った極楽浄土で
再び会うことが出来ると言われます。
「南無阿弥陀仏」は、
苦しみのこの世でも簡単に仏様の世界に行ける、
とっても嬉しいご修行なのです。